「稲村ジェーン」…それは20年に一度、巨大台風によって稲村に押し寄せる幻の大波のこと。この伝説が、もはや往年のサーファー達の昔話くらいにしか受け止められなくなっていたある年の夏…。 退屈な日常に物足りなさを感じつつも、それでもなんとなく日々を過ごしつつあったサーファーのヒロシ、そしてラテンバンドのリーダー・マサシは、不思議な魅力を持つ波子との出会いをきっかけに、退屈さの中にも何かしらの『素敵さ』を刹那にでも感じ始めていた。しかし日常は、あくまでも現実の「いま」を強要する。彼らにとって、今年の夏がこれまでと何ら...